「受け継ぐ」…形見の帯をリメイクして

私は『着物リメイク』という市場を創るべく仕事をしています。
『着物リメイク』というと新しい言葉の様に感じますが、
実はその精神は日本の服飾の歴史の中で連綿と受け継がれています。
皆様は「洋裁」と「和裁」の違いをご存知でしょうか?
洋裁は『人ありき』、和裁は『着物ありき』、と、
考え方の違いを知ると180度異なる方向性である事がわかります。
洋裁は人ありきなので人の形にあわせた型紙から生地の裁断が行われ、
再利用の想定が無い事に対して、和裁は着物ありきなので型紙が無く、
反物に戻る事を考えて裁断・縫製が行われます。
「反物に戻る」という非常に柔軟性の高い仕立てを行う
日本の着物は世代間で受け継がれる事を想定されているのです。
着物リメイク屋である私は着物のみならず
「受け継ぐ」という精神を非常に大事に考えています。
私の周りにいる着物リメイク業や縫製業の諸先輩方は次世代の私達に、
≪あたかも着物を受け継ぐように≫その知識、経験を伝えて下さいます。
その受け継いだ『想い』をそれぞれ自分の形に≪リメイク≫して、
それぞれの心に落とし込む。
そうして技術(と、その精神)もまた継承されるのだと思います。
今日は私達の仕事もお客様の想い出も
「受け継ぐ」という事がとても大事だと思ったお客様に頂いた納品後の感想を紹介します。
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形見の帯が法事用バッグになり一周忌に手元にある。
なんかすごく素敵です。
私が今日のブログで綴った「受け継ぐ」という真理はココにあると思うのです。

 

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