サイズに忠実に作る事が誰かの想いを受け止める事になった話

着物リメイクは誰かの想いを受け止める事だと改めて思った

ちょっと複雑な帯リメイクをご紹介します。

 

プレバト 着物リメイク

 

上の画像、右側に細かいサイズが書かれた用紙がある事判りますか?

この非常に厳密なサイズはお客様からのご指定でした。

 

私達は着物や帯に応じた弾力性のある製作を大事にしていますので

画一的なサイズ・仕上がりを優先することはあまりしません。

(素材や状態が全て異なる古い着物や帯に画一的な製作は適さないと考えています)

 

お客様からお預かりするそれぞれの着物や帯を

必ず自分達の目で拝見してそれぞれの生地や柄が最も活きるように

大きく作ったり、小さく作ったり、柔らかく作ったり、硬く作ったりという、

懐の深いリメイクや仕上がりを重視するリメイクをしたいと思っています。

 

その為、サイズありきで製作する事は稀なのですが、

(普段は例えばA4ファイルサイズなどの大雑把なサイズから

お預かりする着物や帯が一番活きるサイズへ落とし込みます)

この採寸図とモデルになるバッグを撮影されていた数枚の写真を拝見して、

お客様のこのバッグへの特別な想いを感じて

どうにかお客様のイメージ通りに仕上げたいと作業に取り組みました。

 

プレバト 着物リメイク

 

逆説的ですが普段はそれぞれの着物や帯に準じて自由に作っていればこそ、

非常に厳密なサイズに対しても柔軟性を持って対応できるという自負はあります。

決まった形ばっかりを作っていると着物や帯の素材としての

時代や保存状態で全く異なる縦の深さと素材、格式、柄で異なる横の大きな広がりへの

重層的で幅広い対応力が弱くなるように思うのです…

 

さて、

1枚目の画像がお客様のリクエスト通りならば、

2枚目の画像は大雑把なサイズはお客様に頂きましたが、

「この帯から私達ならこう作る」という作り方で製作させて頂いたバッグになります。

それぞれ同じように出来る限りの事はさせて頂いたので

もし私達がお客様の帯に込めた想いを受け止め、

形にする事が出来たならば嬉しいです。

 

※ちなみに3枚目の下の画像は羽織から当店の定番のショルダーバッグを製作しています。

プレバト 着物リメイク

 

【反省】

当ブログではお客様の判断の為に

良い事も悪い事も書く事を宣言しているので反省点も。

 

今日ご紹介しているお客様は熊本地震の後、

初めて納期を守れなかったお客様になりました。

(予めお伝えはしましたがオーダー頂いた全10点中1点の商品のみ

当初お約束していた納期から2日遅れで出荷をさせて頂きました。)

にもかかわらず、

納品後はお電話で到着の旨をお知らせ下さり、

私達はとても救われた想いになりました。

 

震災後も震災以前同様に受注から2か月程度で納品は出来ていますが、

絶対地震に負けるか…と歯を食いしばって仕事に向き合う必死さや

張り詰めていた緊張が少し途切れていないか大いに反省しないといけませんね…。

何かお探しでしょうか