「赤」に込められた意味…着物リメイクをより深めるための理解

今日は日本の服飾文化的な側面から豆知識からブログに入ります。

サンタクロース…
このモデルはイタリア南部の都市バーリ(Bari)の守護聖人サン・ニコラという一説があります。(由来は諸説あります。)
わたしはBari近郊のMonopoliという街にいた事あるのでこの一説を押しますが、サンタクロースの衣装と言えば…「赤」ですよね。
これはコカ・コーラのマーケティングによるものとも言われているのですが、聖人に「赤」というのは日本の服飾文化的には実は理に適っています。

赤(アカ)の語源は「明(アカ)るい」…すなわち太陽の輝きの色。
それは闇を照らす魔除けの色でもあります。
その想いが根底にあると理解する事で日本の伝統玩具や服飾から私達の先祖の子ども達への優しいまなざしに気が付きます。
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少し思い出してみると…実は子どもの遊ぶ伝統玩具には赤い玩具が多くないですか?
赤べこ(首が上下に動く例の玩具)、
鯛車(熊本にはキジ車という似た郷土玩具があります)、
熊金(ご存じ金太郎×熊…赤いです)…ほかには達磨や吊るし雛のくくり猿等
それと故郷熊本的にはオバケの金太という玩具も顔面真っ赤です。
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私の本職の方から見ると子どもの産着にも赤系の色はやはり非常に多いです。
「産着」と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思いますが「暦が還る」で、もう一度赤ちゃんに戻るとされる還暦を例に考えてみましょう。
ちゃんちゃんこを筆頭に身に付けるもの全て「赤」ですよね。

あと還暦に限らずで言えば、最近は紅絹を使う事が少ないですがある年代までは長襦袢、胴裏など赤いものが多いです。
(ちなみに古い着物では赤は紅花を使う為非常に高価でした。 現在「古布ですよ」と販売している紅絹には化学染料の物が多いです。紅絹の生地はリメイク的に今一つなものが多く、リメイクで使用する為には確かな眼力が必要です。)

「暁(あかつき)」の「あか」。世界を照らす光の色。
それを迷信と考えるのか、誰かへの想いと考えるのか、着物リメイクに携わるものとしては後者の視点が必要なのだろうと思います。

さて、下の画像でご紹介しているのは岩手のお客様に納品させて頂いたボストンバッグ&グラニーバッグ
ボストンバッグは反物からのリメイクになります。
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下の画像のグラニーバッグは訪問着からのリメイクでした。
訪問着は柄を縦に使ってアイテムを仕上げると柄が活きます。

この着物リメイクのグラニーバッグに関しては私は非常に着物リメイクと相性が良いと思っています。
その理由はこの柔らかなデザインは「力を逃がす」デザインになっている事です。
特に生地が弱い時などはこの力を逃がすという着物リメイクの視点は重要です。
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続いて山梨のお客様に納品させて頂いた帯リメイク商品をご紹介します。
本当はアイテムはもう少しありましたが写真を撮り忘れました…orz

帯リメイクの製作、作り方のポイントとしては生地の強度をしっかりと把握しておくという事です。
古い帯は古い着物以上に生地の劣化が判りにくいです。
劣化した帯で制作すると実用に耐えません。
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今日は民俗学的な視点からも着物リメイクを深掘りしてみましたが、私達の着物リメイクに興味を持たれた方は是非一度リメイクをお考えのお着物や帯を見せて下さい。現物を拝見しながらですと非常にスムースに打ち合わせが出来ます!


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