道行コートリメイク製作実例と熊本観光資源復興案
先月14日「前震」に見舞われた際、
私は小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏の著書を読んでいました。
そこに書かれている日本の観光立国へ向けた提言には
転換期を迎えている(私は全くの門外漢の)日本の文化財行政を鋭くえぐり
既得権益・既成概念の枠を超えた非常に新しいアイデアに満ちていました。
その内容は面白く興奮しながら私は地震に襲われるまで読み進めました。
しかし、私はあの日からその本を閉じたままです。
トラウマというには大袈裟ですが、
私の中でその本と地震が結びついてしまっていてなんとなく開けない…
けど、私が熊本の首長ならば熊本城に代表される
震災の影響を受けた観光資源復興のグランドデザインを描くにあたって
D.アトキンソンさんは適任だと考えて三顧の礼を持って招聘します。
「アトキンソンさんの本を読んでたら地震が来たから、あなたが責任持って
新たに観光客を呼べるように熊本城をはじめ文化財一式を直してね♪」
って因縁を付けて(笑)
大地震は不幸な出来事でした。
熊本の文化財も大きな被害を受けましたし、観光産業への影響は大きいです。
しかし、この時期だからこそ観光立県に向けた新たな挑戦のタイミングとして
俯瞰で未来の観光行政を考えてロードマップを描く機会とも言えます。
しがない着物リメイク屋の私が
熊本の文化財や観光に関して考えても何の影響力も無いですが
それでも今の熊本城の姿を見れば、
知恵者の皆さんに全国に誇る熊本の象徴の復活をお願いせずにはいられません。
「以前の状態を超えてこそ。」
それは私達の着物リメイクでも同じです。
と、強引に話を繋げたところで今日は道行のリメイクに関して考えてみます。
道行コート…
「着物を着る」という行為が日常の中で特別な事になり、
もっとも着る頻度が少なくなった着物の一つだと思います。
その為、箪笥に眠ったままになっている事も多く
当店にリメイクをご依頼される事も少なくはないです。
道行コートのリメイクには時々特殊な生地があります。
毎日着物リメイクを行なっている私達でもひっかかった事があります。
約1年前に綾織の道行コートの罠にひっかかったお話
その為、リメイクに対しては特殊な生地に対する応用力は求められると思います。
生地を理解すれば柄はクセが無いものが多いので
リメイクが製作出来るアイテムは多岐に渡ります。
今回ご紹介している北海道のお客様には
がま口や通帳入れ、テディベアなどを製作させて頂きました。
日常で着る事が無く箪笥に眠ったままの道行コートがあるならば
普段の生活に取り入れる事が可能なアイテムにリメイクするのはいかがですか?