半幅帯の「継ぎ」発見クイズ!
私達は当ブログを中心に「反物幅を活かす」「柄を活かす」という着物や帯のリメイクの考え方を提唱しています。
今日はその考え方をそのまま再現出来たと思うリメイクの実例がありますのでご紹介しつつご説明したいと思います。
まずは下の画像3枚はショルダーバッグの画像です。
この博多織の帯の元々の形はこのリメイク後のバッグから想像できますか?
この帯の元々は「半幅帯」です。
「半幅帯」と言われてもピンとこない方の為に半幅帯を説明すると半幅帯とはその名の通り帯を半分にした幅の帯で、
幅はだいたい15センチほどで、長さは3.6メートルくらいが主流です。
早い話、浴衣などにつかう細い帯です。
幅が15センチの帯で横幅23~24センチのショルダーバッグへのリメイクを考えれば当然「継ぎ」が必要になります。
では、上の3枚の画像をご覧いただきどこに「継ぎ」があるかお考えいただければ幸いです。
私達はこの「継ぎ」を入れる事がデメリットにならないデザインを考えました。
それが当ブログ冒頭で書いた私達の着物リメイクの考え方でもある「反物幅を活かす」や「柄を活かす」リメイクに繋がってきます。
今回の案件では半幅帯の幅15センチを逆手に取って考えました。
約15センチの反物幅を目いっぱい活かし、尚かつ、この半幅帯の柄を最大限生かすリメイクとして私達が考えたのはこのデザインです。
このデザインならば継ぎが比較的目立たないというメリットもあります。
それではこの半幅帯リメイクの「継ぎ」部分の答え合わせしますね…
まず1枚目の「継ぎ」部分はココです。
蓋部分は両サイドにも同じ柄を配する事で違和感なく仕上げました。
パッと見て半幅帯っぽく感じないかもしれませんね。
分かり難いですが黄色い矢印のところには継ぎがあります。
でないと15センチの幅から20センチを超える横幅のバッグは物理的に無理ですから。
中の方は両サイドに帯の裏の無地を配しました。
下の画像で判ります。
この反物幅約15センチの半幅帯をこのバッグの中心に配する事で全体の統一感を産むことを意識しました。
3枚目の画像の通り(物理的に柄部分の生地が不足したので)両サイドを無地にしたことで半幅帯の柄も活きたと思います
呉服店での下積み経験がある私がリメイクで大事にしているのは今回の実例のような「反物幅を活かす」事や「柄を活かす」事です。
着物や帯だったことを理解してその良さを引き出すリメイクを目指しています。
逆に型紙やデザインを重視して「着物」や「帯」を無視するリメイクも自由にやって良いですし否定まではしませんが個人的にはあまり好ましく思っていません。
着物の良さや帯の良さを突き詰める事が結局美しく、そして、特性を生かすことで長く使えるリメイクになると経験上思います。
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