着物リメイクで「人は2度生きる!」

私達が着物リメイクを通して大事に考えた言葉に「人は二度死ぬ」というキーワードがあります。

特に着物リメイクを通じた形見分けなどで重みを増す言葉です。

この言葉をどのように捉えれば良いのか?

一度目はいわゆる「死」。肉体的な死の事です。

(一度目の生の終焉)

そして、二度目は親類、友人、知人の記憶の中から消え去り、誰からも思い出されなくなった時、人々の記憶からの死です。(誰からも思い出されることが無くなり二度目の生が終わります)

着物リメイクを通じて向き合う誰かの気持ち。

着物リメイクへの表層的な技術や知識におぼれていると見誤るそれぞれの「想い出」への人の心、繋がりが強く横たわります。

 

 

そして、私は震度7の熊本地震を経験した事でこの「人は二度死ぬ」という事は「人は二度生きる」という事でもあると強く思うようになりました。

熊本地震の後、散乱する自宅内を整理する事で、他界した祖父などの想い出の品を手にする機会がありました。

大地震が無ければ思い出す事も無かったような品々…。

けど、そんな品々を見て強く思いました。

心には私の人生の基準として祖父や祖母の人生が刻まれているのです。

 

故人に対して私達は今更何もする事が出来ませんが、故人はしっかりと私達の心に根差して、私達に残したものはあまりに多い。

人は「二度死ぬ」と同時に「二度生きる」のです。

 

だからこそ、私達は誰かが「二度生きる」お手伝いになる着物リメイクをしたいと思いました。

そんなお店になりたいと思いました。

 

続いて最近カナタツ商店で大事にしたいと考えているキーワードが「和魂洋才」です。

 

私は当サイトでは「和裁」「洋裁」の違いに関して関して良く書きます。

その違いを知ることが「和魂洋才」という言葉を着物リメイク的な側面で考える第一歩だと思うからです。

 

  • 『和裁…着物ありきで着物は必ず反物に戻る』

※着る人が着物に合わせることが出来るように着物の着付けは非常に柔軟です。

  • 『洋裁…人ありきで生地を人に合わせて裁断する』

※それぞれの人・体形に合わせて生地を裁断して服を作ります。

その為、太ったらオーダーメイドのスーツは着る事が出来ない…。という事が起こります

以前から私が当サイトで行っていた指摘はアパレル出身の私達としては今でも妥当だと思うのですが、最近は大先輩の勧めもあって東洋/西洋の比較文化論に関する本を集中的に数冊読んだことでもう一層深化させて日本的思想と西洋の思想までさかのぼってその差異を考えるようになりました。

着物リメイクを生業としながらも、恥ずかしながら初めてより深く「何故、衣類に対する考え方がこうも異なるのか」と考える作業を初めて行いました。

西洋の文明は「人間中心主義」だからこそ洋服の方が人間に合わせるような作り方になるとも言えます。

いろいろな国の民族衣装よりも簡便に扱えて、合理的で消費を是とする社会システムの発展と共に普及した事は想像に難くありません。

 

一方、古来より日本には高価な絹、綿などを再利用し着物を循環させる仕組みがありました。

その最も根幹にあるのが「着物の仕立て」であり、必ず反物に戻る事を想定されている事で持ち主が変わっても再利用が容易でした。

(江戸時代は呉服屋より古着屋の方が多かったという説もあります)

 

この人間が着物の方に合わせるという考え方には、人の寿命以上に長く使うことが出来る自然からの恵み(着物)に儚い人間の方が合わせるという東洋的な考え方が根底にあると思うのです。

晴れ着として着古したら野良着、野良着として役割を終えれば、裂き織りや襤褸、その後は雑巾…。徹底的に「リメイク」する文化が私達の服飾の歴史の根底には流れています。

 

ただ、現在の着物の置かれている状況を考えてみれば生活様式の変化と共にどんどん姿を消し、その事はバブル期以降の市場規模の推移にも証明されています。

私はその時期に呉服業界にいたので体感的に判りますし、また調査資料などに詳しいですが市場規模の縮小を文化の普及では無く高単価化で補おうとした業界の失敗も大きいと思います。

 

「大量生産/大量消費」という社会システムの大きな潮流に呉服業界が丸ごと飲み込まれ、日本人が着物に対して持っていた再利用の精神までが時代から取り残されていったように感じます。

衰退する文化の中で生活から剥離し、箪笥の中に埋没する着物や帯。

ならば日常生活で使える品を私達の持つ着物の知識を活かし、尚且つ、技術を活かしお客様に提供したいと考えています。

 

先人たちがその歴史の中で脈々と受け継いできた(その言葉は無かったですが)「リメイク」の精神。

私達の服飾文化とその根底に流れる精神は世界に誇るべき本当に立派なものだと思います。

 

着物リメイクは着物や帯に対する知識は「和」を求められますが、製作においては洋裁の技術です。

現代的な洋裁的技術、最新の機材を導入しても着物が持つ本質的なリメイク観や精神性を私達は引き継ぎながら現代の着物リメイクというもの考えたいと思っています。

 

『和魂洋才』

…玉石混交のネットの世界だからこそ私達が大事にしたい精神です。

 

以下、参考までにウィキペディアより

(※和魂洋才(わこんようさい)とは、日本古来の精神を大切にしつつ、

  西洋からの優れた学問・知識・技術などを摂取・活用し、

  両者を調和・発展させていくという意味の言葉である)

 

 

コンスタントにブログを書く事は、創業以来自分に課してきたテーマです。稚拙な文章でも書き続ける事で頭の中で形になっていない考えやポリシーや想いなどがまとまってくるように思います。

 

その中で「人は2度生きる」「和魂洋才」というキーワードが私達の着物リメイクにとってとても大事な言葉だと改めて気が付きました。

今後はどんな言葉がまとまるのでしょうか…。

 

着物リメイクがブレイクする世の中になるように少しづつでも、微力でも無力では無い事を信じてお盆明けも情報発信したいと思います!


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