知らないと危険!着物生地や帯の経年劣化の罠
私達は良い事だけを書くのではなく、失敗したことやお客様にお叱りを受けたことも正直に書くようにしています。
ですので、今日は私達の恥ずかしい話。
生地の状態を見誤ったお話に関して綴ります。
毎日送られてくる着物や帯を見て着物リメイクをしているのでそこで培われた経験で手に取ればほぼ生地の状態は把握出来るのですが、今日ご紹介する道行リメイクの日傘で使用した生地は情けない話ですが完全に見誤りました…orz
届いたリメイク用の道行を拝見した際に確かに生地に「経年劣化」を感じる雰囲気は漂っていました。
私達はその部分に非常に気を使っているので、生地を広げてあっちこっちと確認したのですが、初見で感じた違和感程の「表面上の」生地の劣化を感じない…
キツネにつままれたような感じで違和感はあったままだったのですが「リメイク可能」と判定してお客様のご要望の日傘を製作させて頂きました。
ただ、製作を開始してみると部分部分に荷物を開封した時に直感的に感じた通りの生地の劣化部分が散見…
「見誤った!!!」
と、一瞬頭を抱えたのですが、すぐに「これは自分達の経験や技術の出しどころ」と切り替えて劣化部分も十分な強度を持つような対策を検討しました。
私達も10年以上のキャリアを持つ着物リメイク屋ですので最終的には出来るフォローの限りを尽くして遜色なく日傘に仕上げました。
(色々手を尽くしているので細かい説明は省きますが判りやすいフォローの例としては2枚目の画像のようなに裏から芯を貼っています)
今回見誤った最大の原因はリメイク道行コートの素材が「綾織」だったことだと思います。
平織が圧倒的な着物生地においては少数派で、その蓄積が少なかった事、
そして、しなやかな綾織生地の経年劣化は平織以上に激しく進む事、
10年以上の経験を積んでいても、今回の知識は不足していた部分だと率直に認めないといけません。
独立後別の失敗としては見事なほどバランスよく色あせした着物のヤケの罠にひっかかったこともありました。
1年に1回もあることではありませんがお客様には大事な着物である事は間違いありません。
細心の注意を払っていても、経験を積んでいても、着物リメイクは本当に難しいです。
着物リメイクでは時々とんでもない罠があります。
手前味噌ながら非常に高い確率で生地を見極めることが出来る私達着物リメイク専門店が2人体制で「ダブルチェック」しても見落とす劣化などもあります。
(他のお店は異なるかもしれませんがカナタツ商店では ダブルチェックをすべての仕事の基本にしています。)
そこから立て直す技術や蓄積、フォローした経験があればどんな着物や帯でもリメイクしてよいと思いますが、趣味でなさる方は是非、生地のチェックはとても慎重になさって下さいね。
今日は生地のチェックをいう第一段階で見誤ったという私の情けない話でしたが、同時に技術や蓄積があれば多くの着物生地の経年劣化はフォローも十分に出来るという事も覚えておいて頂ければ幸いです。
さて、「着物リメイクの事聞きたいけど…」「料金は?」「納期は?」と
ご不明な点がある方はお気軽に以下のフォームよりお問い合わせ下さい。
通常でしたら12時間以内に返信させて頂いております。
また、「取りあえず着物リメイクの事を知りたいな…」という方や
「おばあちゃんはパソコン無理だし…」という方、等々…
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