着物の柄を考えながら着物リメイク…『万年青&虎』編
今日はお客様に頂いた着物リメイク商品納品後のメールからブログをスタートさせます。
ご感想のメールに登場している着物リメイクの商品それぞれをご紹介します。
『…それぞれの思い出を断ち切ることなく、こうして手元に残せること、とても感謝しております。…』
今回お預かりしたお着物がどのくらいの年代か、いかに大事にされてきたかを感じ取りながらの作業でしたのでこのお言葉は本当に嬉しかったです。
虎という柄は和柄の定番で古くは古墳などにも描かれ「圧邪」のアイコンですね。
男性には非常に好まれる柄で本当に古くからあります。
私自身が寅年という事もありますが虎が人気があるのは勇ましさだけでなく干支という事も大きいような気がします。
寅年視点で言えばやっぱり虎柄選びますから。
上記のタペストリーは男児の誕生祝いとお客様に伺っていました。
虎柄は力強いイメージと共に上記の通り圧邪の意味合いもあり赤ちゃんのお宮参りの着物にも時々見られる意匠です。
ですのでご主人の長襦袢から意味のこもった素敵なプレゼントになったのではないでしょうか。
お客様のリクエストで「万年青(おもと)柄」(巾着右側の柄)を活かすご希望がありました。
万年青はメインの柄でも無かったのにこの縁起の良い柄を活かそうとなさったお客様のお気持ちや感性は作り手として響くものがありました。
ちなみに、万年青の柄は新しい着物ではあまり見かけない気がします。
古い着物のほうが多い柄で、結構稀な柄だと思います。
以下、万年青に関しては浅学な私が語るより公益社団法人日本おもと協会HPより引用いたします。
「『四季を問わず、豊かで強靭な緑の「葉姿」を見せてくれる「おもと」は、古くは薬草として使われ、また、緑が絶えない強さにあやかり憧れて、新居への移転(俗に言う引越しおもと)、結婚、出産など祝い事に贈り物として使われるようになりました。
また、徳川家康が江戸城入府の折り、3本のおもとを携えたという故事にならい、そして、長きにわたって国を治めたことから「縁起の良い植物」として各地で「引越しおもと」としての習慣が残っています。」
おそらくその柄の美しさと共にお客様もこの知識はお持ちだったのだと思います。着物への理解を共有しながら作業を進める事が出来るのは作り手としては有難い事です。
『…あの、古い着物が、息を吹きかえして戻ってきました。
亡き母の幼い頃の晴れ着、今生きていれば80歳過ぎ。
私も中学生の頃袖を通したものです。
幼い母のために仕立てたのは、母の実姉、私にとって叔母。
もう、60年以上たち、痛みも激しく、破棄するしかないと考えていました。…』
素敵な着物だからこそ成し得た素敵なリメイクだったと思います。
古布を専門的に取り組んだ経験のある私達の得意とする年代のお着物でその柄の美しさや当時の生地の質の高さを活かしたいと思ってリメイクさせて頂きました。
喜んで頂けて本当に良かったです。
私達の着物リメイクに興味を持たれた方は是非一度リメイクをお考えのお着物や帯を見せて下さい。
現物を拝見しながらですと非常にスムースに打ち合わせが出来ます!
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