着物リメイク論2「着物リメイクに必要な三要素」

前回の虎の巻「着物リメイク論…その1「着物リメイク市場を考える」」の続きです。

前回の着物リメイク虎の巻では各家庭に沢山の着物が眠っているという事、

その市場価格の総額は40兆円~54兆円と言われている事、

などについて触れました。

活用の方法としては着物買取なども一つですが、一方で着物の活用として着物リメイクを扱う業者がもっと増えても良さそうなものです。

ではなぜプロの着物リメイク屋というのはなかなか生まれないのでしょうか?

もっと広がりをうんでも良さそうなものですが私達のような受注型は「取り組んではみたが萎えた」という業者が多いと私は見ています。着物リメイクをビジネスとする為にはきちんとした勉強や技術の研鑽が必要なのです。

きっちり仕事として成立させるために必要な事を私なりに「受注型の着物リメイク」を因数分解して考えてみました。

着物リメイクを「生業」(趣味の着物リメイクは別です。自由に楽しんで下さい)としてお金を頂戴して提供する為にはとても大事な3要素があります。

まずは一つ目は

「縫製力」

縫製の技術的な事はそもそもその部分に技術が無いならば成立しないので言わずもがなですがやはり道具もとても大事です。

着物リメイクを専門的にやろうと思えば少なくとも小さな縫製工場程度の設備投資が必要になります。

呉服屋さん等に着物リメイクを取り組む先がありますが初期投資を要するこの部分は弱く家庭用ミシン/家庭用アイロンで対応している所も少なく無く、工場などと提携してる場合は「価格が高い!」という傾向があります。(一枚一枚柄を合わせたり、生地の確認を要して手間がかかる着物リメイクを工場やメーカーは嫌います)

二つ目は

「呉服力」

適切な言葉が思い浮かびませんでしたが「呉服の知識」というのは必須です。

個人的には着物リメイクにあまり縛りを入れたいとは思いませんが、お金を頂戴するプロとしては他人が見て違和感を感じない配慮というのは必要です。

例えば私は家紋のついた着物が玄関マットにリメイクされて置いてあればギョッとしてとても踏めないと思います。

また、着物リメイクのご相談には「形見分け」のご相談が少なくありません。その時の人気アイテムである数珠入れや香典入れがありますが法事のアイテムには心配りが特に必要です。

自分達のサイトからの引用で恐縮ですが例で言えば以下の様な知識は製作者は必須です。

この着物は子どものお宮参りなどに使用されていた着物です。柄を分析してみましょう。

「子犬」は他の動物と比べても病気が少なく非常に順調に育ちます。また「竹」は皆様ご存知の通り非常に成長が早く、尚且つ、真っ直ぐ育ち、常に緑で生命力に溢れています。共にお宮参りの衣裳として子どもの健やかな成長を願う親の想いが込められています。

そして日本の服飾文化の奥深さだと私は思いますが、それぞれ意味がある柄が複数組み合わさる事で、さらに別の意味を持ちます。

上の例同様に「竹」が入ったもので例を挙げるならば、皆さまご存知の「松竹梅」「四君子」などがありますし、上記の柄は漢字に置き換えると上に「竹」、下に「犬」「笑」という意味になります。

であれば、この柄で不特定の人が多数集まる法事の場で使う「香典入れ」「数珠入れ」などは適切なリメイクと言えるでしょうか?

この呉服の知識というのは補正屋さんや縫製工場が圧倒的に弱い部分です。そして、納品後に誰かに指摘されて(お客様が恥をかくような事になって)はじめてその間違いに気が付くというとても厄介な部分と言えると思います。

三つ目は

「生地への目利き」

これが一番言葉にしにくいのですが、箪笥に保管されっぱななしの着物や帯の生地の状態をきちんと見極める事が出来るかという点です。

写真では判りにくいですが以下の2種類の生地の違いは判りますか?着物リメイクを本業として取り組んでいる私達でも画像だけでは100%の判断できませんが(笑)、共に長くタンスに保管された薄い着物生地でありながら2つの生地の状態は全く異なっています。

生地としては手前の青い生地の方が薄いのですが丈夫です。一方で奥の水色の生地は一見丈夫なように見えますが経年劣化しています。軽い負荷で簡単に破けます。

この見極めが出来ないとスカートにしたら「一回はいたら裂けた」、バッグにしたら「重たい荷物を入れたら破けた」という事は容易に想像が出来ます。

本業として着物リメイクに取り組んで(プロとして看板を掲げるならば)予見しなければならない生地の経年の問題に対して「言われたとおりに作りましたよ」という答えは逃げ以外の何物でもありません。生地の状態を見極める力を培って責任を持って古い着物・帯に向き合う姿勢は求められてしかるべきだと考えます。

着物リメイクでは見落としがちですが実は非常に大事なポイントは「生地の見極め」となります。特にタンスに眠ったままの古い着物には生地が劣化しているものがあります。この見極めは縫製以上に重要な部分だと思っています。私達も感覚的に把握する「経験」の部分ですので説明が難しいですが、作る事だけ(形にする事)だけに目が行くと見落とす部分ですので要注意です。

この部分は着物リメイクに取り組んでやり込まないと中々身につかない感覚だと思います。(今でも年に1回ぐらい経年劣化の罠に引っかかるほどです。日々勉強です。)

今日お話したようにプロとしてして良い着物リメイクを提供しようと思うと実はこの3つの柱をしっかりと鍛えてバランスの良い三角形を作ることが実は非常に重要です。

この三角形のバランスが悪いと着物リメイクに取り組んでもどこかでミスをしたり、引っかかりがあって商売としては長く続かないのだと思います。

なお、私自身は着物リメイク作家のアシスタントととして下積みをしていますのでデザインに特化して素材として着物を使う、もしくはドレスに特化、などは別の座標軸で考える着物リメイクの在り方として追記させて頂きます。

次回の「着物リメイクについて考える…その3」では私達の着物リメイクの特徴という事に関して考えてみたいと思います。


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