着物リメイクの歴史考察
今日は「着物リメイクの歴史」というものを考察しつつ、
道行コートからのリメイクや
辻が花柄の残布からのリメイク実例をご紹介します。
私が着物リメイクの歴史という事を最初に意識して考え出したのは
朝日新聞の全国版の記事の取材からでした。
※当時取材された記事
その時の記者に聞かれたのが「着物リメイクの始まり」です。
その当時でも私は着物リメイクの業界に
10年以上お世話になっているにもかかわらず
言われればその源流をしっかり辿って考えた事が無い…。
「着物(和服)」→「洋服」の歴史は
アロハシャツの歴史などを調べる事でかなり古く19世紀には見られるようです。
だからもし、「私がパイオニア」と語る作家等がいればそれは怪しい情報です。
そのような表現をしている方がいれば私は先人への敬意を感じません。
着物リメイクをどう定義するかでその歴史は異なりますが、
「和」→「洋」のリメイクですと厳密では無いですが
年代的にはアロハシャツあたりが源流かな…と私は考えています。
(なんと戦前にはすでに商標登録されていたそうです。)
一方「和」→「和」へのリフォーム/リメイクを考えると
それは日本の服飾文化を振り返る事になります。
私はこのブログでもよく綴りますが、
そもそも「着物」という民族衣装は「着物ありき」で作られています。
必ず反物に戻る事を想定して仕立てられていて、
世代間で受け継ぐことが考えられています。
(一説によると江戸時代は新品の反物を扱う店よりも
中古の着物を扱う古着屋の方が多かったそうです。
中古の着物でも仕立て直しで着る事ができるというこの事例も
着物がそもそもリメイクを想定されている事を示しています)
そして、私が日本の着物リメイクの源流として特筆しておきたいのは
かつては、仮に着物として時代を重ねて破れたり弱ったりしても
「裂き織り」「襤褸」「きりばみ」として生地を再生する加工が
日本全国で行われている事です。
全国にこのような着物を無駄無く使う痕跡が残っている事を見ると
そもそも反物に戻る様に作られている着物の成り立ちと共に、
「リメイク」という行為が日本人の服飾文化に組み込まれたDNAのように感じます。
(※襤褸などに関しては「布のいのち」等の書籍に詳しいです。)
(ちなみに、実際に着物リメイクという仕事を生業にしていると
「着物→帯」「子どもの着物2枚→大人の着物1枚」「きりばみの帯」などの
「和」→「和」のリメイクの痕跡を結構見る事があります。)
「和」→「洋」のリメイクは「和」→「和」のような歴史が無いだけに
ルーズな部分があって、だからこそ自由であって良いと思いますし、
様々な方が取り組む事で独自の多様性が生まれるのだと思いますが
時々私達はとても賛同できないような手法を取る先もあります。
玉石混交の着物リメイクの世界だからこそ
明確にしたいと思いますが、私達は着物リメイクの歴史を辿る事で
「リメイク」という基軸と共に発展を遂げた日本の服飾文化に想いを馳せて、
また同時に先人の智慧や教えに敬意を払い
その文化の延長上で着物リメイクに取り組みたいと思っています。
それは私達が大事にしている
「着物に込めたお客様の想いを受け止める事」や
「素材や状態がすべて異なる着物それぞれに向き合う事」同様に
私達を育ててくれた着物リメイクの先輩方から受け継ぐべき姿勢だと思っています。
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2016年6月20日
…21日は震災後の諸手続きがあるので次のブログは23日の予定で書きます!
(6月22日変更/※九州地方の豪雨の対策の為22日もブログをお休みさせて頂きました。)