「何故着物リメイクなのか?」を考える

今日は着物リメイクをする上でテクニックとか作り方以上に私達が大事に考えていて、本質だと思う事をまとめてみます。
着物リメイク専門店として仕事をする上でここ数年で特に意識が変わってきたことがあります。

作り方などテクニカルな事やスキルに関する情報発信や啓蒙は今まで当ブログを中心に沢山書いてきたので、最近は裾野を広げるために「着物リメイクを自分でやる人」に向けた記述よりも私達のような業者を利用して「着物リメイクを利用する人」に向けて心の底にある本質的な「なぜ着物リメイクなのか?」という問いに対するアンサーを明確に提示する事が重要だと考えています。

最近では僭越ながら私達をベンチマークしている着物リメイクの同業者のなかにはこうした考え方に明らかに影響を受けたことが見受けられるお店なども登場しています。
この方向性は間違っていないし、理由の無い着物リメイクなど無く、着物に込めた「お客様の想いを受け止める」というポイントが着物リメイクにおいて非常に重要であると作り手サイドでも認識されてきている現状を、発信し続けてきた立場としては嬉しく感じています。

表層的なテクニックからより踏み込んで着物リメイクを通して人と人の心の結びつきや想いにまで作り手が心を砕くことが出来て「着物リメイクっていいな」という広がりを産むと私達は考えています。

私達がそういう想いを持って仕事に打ち込むことが出来る深層にはお客様と培った着物リメイクの広がりや経験とそこで生まれた私達なりの哲学があります。

以下、その一端をご紹介します。納品後お客様に頂いたメールです。

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あの着物は今年2月に亡くなった母(59歳)が十代の頃から着ており、
私も幼い頃に母があの着物を着ている姿を度々見ていました。
~(中略)~
母が亡くなりこの着物をみつけた時、
母がこの着物に対していろいろな想いがあったんだと思います。
それを考えたら簡単に処分できず、
インタ-ネットでいろいろ検索して初めて着物もリメイク出来ると知り、
今回お願い致しました。

かなりボロボロな着物でしたのに補強をしてリメイクして頂きありがとうございました。
全ての商品に大満足です!!
帯で作って頂いた通帳入れと印鑑ケースは弟に、
キャラメルポーチは娘に渡したところ、とても喜んでました。
とても素敵なお仕事ですね!!本当にありがとうございました!!

お客様に納品させて頂いた帯のリメイクと着物リメイクの商品は以下の通りです。

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お着物がボロボロであるか、否か、という事や汚れているという事は作り手の経験・技術、型の取り方、柄の取り方の工夫などでかなりのフォローは可能です。
どれだけ私達作り手が一枚一枚の着物と向き合うか。だと思います。

その思い出のお着物や帯に込めたお客様の想いを受け止める事、そして、知恵を絞り、培った経験を活用してお客様の想いに応える事、形にする事が私達着物リメイク屋の仕事ではもっとも大事な部分です。

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自分達がどんな副資材を使って、どんなテクニックで作っているか、という過程の部分は実は着物リメイクを利用するお客様にとっては些末な事で、最も重要なのは「お客様の想いを受けて、その想いに応える品物を作ったか」という事だと私達は考えます。

結局、その部分に心を砕き、気持ちを込めてリメイクする事が最終的にお客様のご満足に繋がっていると経験的に感じています。
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テクニック以上に「想い」…
着物リメイクに携わる者が最も理解しておく必要があるこの仕事の本質だと思います。


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