着物リメイク VS ファストファッション

今日のブログでは「ファストファッションの対極にある着物リメイクの意義」という事に関して考えています。以前、トークイベントで質問をされた事を契機に自分なりに考えている事です。

折角の機会なので着物のリフォーマーという自分の業界から見る知的三角測量にトライしてみたいと思います。

「時間軸」「空間軸」を意識して私が社会人生活を送り始めた20年前を起点にモノの流通量を比較すれば着物は7分の1程度まで減少し、一方洋服は4倍になっています。

この違いは生活様式の変化だけでしょうか。

立ち遅れた呉服業界の構造的問題、アパレル業界ではファストファッションという新たな潮流は洋服の流通量を一気に増やしてこの20年で私達日本人のクローゼットの中から着物(呉服/帯)は目減りして、そのスペースをファストファッションが埋めたともいえるのです。

先人が着物に込めた想いや日本的様式美は失われ、洋服が急激に増えたことは「豊かさ」なのでしょうか。自分の知りうるささやかな歴史から覗き見る三角測量で行き過ぎた資本主義のアンバランスないびつさに気付く事が出来ます。
モノがあふれる事で巧妙にマスキングされながらゆっくりと富の二極化は進んでいます。
均一化も進んでいます。自分の視点を意識的に変えるだけで世の中の見え方は大きく変わる。

さて、そのような中で、生活様式の変化の中ですっかり着る事が無くなった着物や帯。
その着物と共にある想い出や想いに寄り添って形にしていく事が着物リメイクの意義なのだと思います。

例えば、嫁入りの際に両親が持たせてくれた。
成人式の時、おじいちゃんとおばあちゃんに買ってもらった。
お宮参りの時の写真がある。…etc

ファストファッションが『モノ』を充実されて、物質的な豊かさを一時的に与えてくれることに対して、着物リメイクで私達が目指すのは『コト』の充実であり、精神的な豊かさを得る事が出来るのが私は着物リメイクの本質であり、また、私達の目指すところであります。

詳細なお問い合わせに関して:着物リメイクのお店カナタツ商店へのお問い合わせはコチラ

何かお探しでしょうか