アパレル業界の潮流と着物リメイク業界の行く末を考える。

福岡の情報番組に同業の仲間が特集で登場したという話を伺いました。
私達もささやかにお手伝いしたので嬉しい話でした。
先日のTBSのプレバトの着物リメイク特集もそうですが着物リメイクがマスコミに取り上げられて裾野が広がる事は本当に嬉しいです。
私がブログで「着物リメイク!」「帯リメイク!!」と叫ぶよりも圧倒的に効果的です。

一方で特に昨年ぐらいから「お客様」「メーカー」それぞれが細分化されてきて直接結びつくという流れが顕在化しつつあるように感じます。
この波は着物リメイクのフィールドにも及び出し、「加工請負」型の着物リメイクのビジネスモデルは大きな影響を受けるだろうと思っています。
(「作家型」着物リメイクにはむしろ良い流れだと思います)

世の中の流れという最強の不確定要素を自分の業界から見据えて変わらないための変化の必要を感じます。

プレバト 着物リメイク

私はブログで私達の本業たる着物リメイクにフォーカスしたことを書く事がほとんどですが帯リメイク制作実例をご紹介しつつも今日は少し俯瞰で私達がお世話になっているアパレル業界から今の世の中を考えてみたいと思います。

私がアパレルの世界に入った20年前と現在では洋服の流通量はどれくらい違うと思いますか?
一説には20年前の4倍の量が今、世界中で流通しているそうです。

もちろん、人口は4倍になっていないし、まして縫製業従事者が4倍豊かになっている訳ではありません。

プレバト 着物リメイク

アパレル業界のこの20年間でファストファッションのビジネスモデルが構築されて、資本主義的な「フロンティア」を広げただけです。
4シーズンで展開していたアパレル業界のビジネスモデルは二十四節気並みに細分化されて安価な洋服をばらまきながら、空気・雰囲気を作りながら、次々と「流行」という新たなフロンティアを広げる。

二十年前は「メイドインチャイナ」だった工場はアジアならば今ではバングラディッシュ等最貧国になっています。
より安価な人件費へのフロンティアを広げる。
縫製に技術を求めるのではなく「人件費」だけを求める。
そこに環境や労働者の安全へのコストはありません。

資本主義というと大きな話ですが、今の世の中の仕組みの閉塞感という点は自分の業界を通じた定点観測からも見える気がします。

モノが増える事、服が増える事で巧妙にマスキングされていますが実は私達はじんわりと貧しくなっているのだと思います。
このマスキングの裏には食いつぶされる中間層、言い換えを変えれば格差の広がりが隠されているように思います。

「物は増えているけど豊かにならない」

このファストファッション的な仕組みが非常に怖い事だと思っています。

一方ではオンリーワンを求めて、「作り手」「顧客」が直接結びつく流れ。
一方では「流行」という空気にのった激しさを増す大量消費の流れ。
そしてAIやIoTはアパレルにどんな変革をもたらすのでしょうか?
やがて家庭用のミシンなどにも応用されることになると思いますがミシンなど機械の進歩は目覚ましいものがあります。
職人的な技術や勘みたいな事がどんどん数値化され取り込まれている現実。

着物リメイクという狭い世界だけ見ていると足元を掬われる事だけは確かだと思うのです。
考えれば考えるほど混乱しますが、こうしてブログで整理したり、だからこそ芯はぶれることなく自分の仕事の本質を常に考えて発信しようと思うのです。

私達の着物リメイクに興味を持たれた方は是非一度リメイクをお考えのお着物や帯を見せて下さい。
現物を拝見しながらですと非常にスムースに打ち合わせが出来ます!


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